












第11集 岡崎(新安城)~桑名(27.7km)
【通過する宿場=池鯉鮒・鳴海・宮・桑名】
名古屋、七里の渡し!
2015年9月5日発行
ISBN9784938643676 C0326
11集では、日本橋から96里(375キロ)の桑名に到達します。日本橋から、通ってきた国も8つ目になりました。(武蔵、相模、伊豆、駿河、遠江、三河、尾張、伊勢)
かきつばたで有名な知立の八橋は、京都の八ッ橋のルーツにもなっているそうです。池鯉鮒(ちりふ)宿の名物大あんまきを食べ、池鯉鮒大明神の前には家康の側室のお万の方生誕地碑があります。池鯉鮒には、品川宿で登場した東海寺の沢庵和尚が訪れていて、池鯉鮒の名前のもととなった御手洗池公園の石碑には和尚直筆の書が刻まれています。
刈谷市に入り、きしめんのルーツとされる芋川うどんが名物です。桶狭間の戦いの地、豊明市と名古屋市緑区に入ります。道中、多くの地名に合戦の名残を見ます。
絞りで有名な間の宿有松は、漆喰、海鼠壁の歴史的建築物の街並みが残ります。街道のすぐ横が海だった鳴海宿からは、道の成り立ちのダイナミックさを感じます。今も参詣客が多い笠寺観音は、雨に濡れていた観音さまに自分の笠をかぶせたところをたまたま通りがかりの貴人が見て、一目惚れ。玉の輿の元祖です。
名古屋に近づくにつれビルも道路も大きくなり、熱田に着きます。宮は、熱田神宮の宮。ここからは陸路の佐屋街道か、七里の渡しに分かれ、伊勢の国の桑名を目指します。桑名は今は名古屋から電車で30分。昔は七里の渡しは舟で4時間、潮の具合によっては6時間かかりました。桑名側の渡船場では、伊勢国一の鳥居が迎えてくれます。
桑名といえば蛤。街中にたくさんしぐれ煮のお店があります。値段にびっくりしましたが、希少性とおいしさに納得です。専正寺には、「蛤墳」という蛤のお墓もあります。
長良川、揖斐川、木曽川が分流・合流する河口にある桑名は、水運で栄えた反面、水害に悩まされ続けてきました。江戸時代、幕府は薩摩藩に堤防工事を命じましたが多額の出費と多くの犠牲者を出したため、責任者の平田靱負は切腹しました。平田や工事の犠牲者の墓は海蔵寺にあります。
マップNo.44は熱田宿と桑名宿を収載し、どちらもビッグな宿だったので、結果的に桑名の方がやや駆け足的な紹介になってしまいました。第11集は矢田立場までです。
【内容】
No.41 新安城(岡崎)~富士松(7.2km)
No.42 富士松~有松(8km)
No.43 有松~宮(熱田)(8.2km)
No.44 宮(熱田)~七里の渡し~桑名(4km)※七里の渡しの距離は含みません。
【コラム41】無量寿寺とかきつばた 在原業平伝説
【コラム42】桶狭間古戦場の地形的検証
【コラム43】鳴海の地形的感動
『ホントに歩く東海道』について
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◉1万分の1縮尺(1㎝が100m)の地形図を使用
◉裏面に詳細解説、マップ下に多数の写真
◉沿道文化のコラムを、各マップごとに収載